モデル性能
Sarashina3 シリーズは、日本語対話、文化常識 QA、数学、コーディング、指示追従、エージェント機能など各種ベンチマークにおいて高いパフォーマンスを発揮します。各モデルの評価結果をまとめています。
思考モデル性能評価比較
Sarashina3.2 mini thinking の代表的なベンチマーク結果を、前世代モデルである Sarashina3 mini(non-thinking / Instruct モデル)との比較で示します。思考モデルは思考レベル(reasoning_effort)を low / medium / high に設定して評価しています。カテゴリのタブを切り替えて各ベンチマークのスコアを確認できます。
| モデル | reasoning_effort | ELYZA-1001 | MT-Bench2 | J-MultiChallenge3 | JamC-QA4 |
|---|---|---|---|---|---|
| Sarashina3 mini | non-thinking | 4.23 | 7.70 | 0.264 | 0.821 |
| Sarashina3.2 mini thinking | low | 4.16 | 8.61 | 0.375 | 0.670 |
| medium | 4.35 | 8.51 | 0.448 | 0.694 | |
| high | 4.32 | 8.66 | 0.454 | 0.680 |
- 太字は各ベンチマークでの最高スコアを示します。スコアはいずれも高いほど良い値で、ELYZA-100 は 0〜5 点、MT-Bench は 0〜10 点、その他のベンチマークは 0〜1 の範囲で表示しています。
- J-tau / tau2-bench / BFCL v3 / SWE-bench は公式レポジトリの実装を利用し、それ以外の評価は FlexEval を用いて社内で実装した評価コードを利用しています。
補足(ベンチマークの出典と計測方法)
- ELYZA-tasks-100: 日本語自由記述タスク 100 問の回答品質を評価するベンチマーク(HuggingFace)。LLM ジャッジ(gpt-oss-120b)がモデルの回答を 0〜5 点で採点し、その平均スコアを計測しました。
- MT-Bench: 英語のマルチターン対話能力を評価するベンチマーク(GitHub / 論文)。LLM ジャッジ(gpt-oss-120b)が各応答を 0〜10 点で採点し、シングルターンとマルチターンのスコアの平均値を計測しました。
- J-MultiChallenge: LLM のマルチターン対話能力を評価するベンチマーク MultiChallenge の日本語版(HuggingFace / テックブログ)。LLM ジャッジ(gpt-oss-120b)による 0〜1 のスコアを計測しました。
- JamC-QA: 日本の文化・風習・歴史・法律など 8 カテゴリの選択式 QA ベンチマーク(HuggingFace / テックブログ / 論文)。正答率(exact match)を計測しました。
- AIME25: 2025 年の米国数学招待試験全 30 問を使用したオリンピックレベルの数学推論ベンチマーク(Artificial Analysis)。最終回答の正誤を math_verify で判定し、正答率を計測しました。
- MATH-500: 数学競技レベルの問題集 MATH からサンプリングした 500 問で構成される数学推論ベンチマーク(HuggingFace / 論文)。最終回答の正誤を math_verify で判定し、正答率を計測しました。
- MBPP+: Python のプログラミング問題でコード生成能力を評価するベンチマーク(GitHub)。生成されたコードがユニットテストを通過する割合(pass@1)を計測しました。
- JHumanEval: Python のコード生成能力を評価するベンチマーク HumanEval の日本語版(HuggingFace)。生成されたコードがユニットテストを通過する割合(pass@1)を計測しました。
- GPQA-Diamond: GPQA(Graduate-Level Google-Proof Q&A)は、生物・物理・化学の専門家が作成した高難度の多肢選択問題からなるベンチマーク。Diamond セットはその中でも特に難易度の高い 198 問を含むサブセット(HuggingFace / 論文)。ゼロショット設定で正答率(exact match)を計測しました。
- IFBench: 58 種類の制約タスクで指示追従の汎化性を評価するベンチマーク(GitHub)。指示されたフォーマット制約への遵守率(format accuracy)を計測しました。
- J-tau: 英語で整備されたエージェント能力を評価するベンチマークである tau2-bench の日本語版(GitHub / 論文)。ユーザーエージェントには GLM-5.2-FP8 を使用しています。ポリシー遵守とツール実行結果を報酬(reward)として評価し、airline / telecom / retail の 3 ドメインの平均値を採用しました。
- tau2-bench: LLM のエージェント能力を評価するためのベンチマーク(GitHub)。ユーザーエージェントには Qwen3-235B-A22B-Instruct-2507 を使用しています。ポリシー遵守とツール実行結果を報酬(reward)として評価し、airline / telecom / retail の 3 ドメインの平均値を採用しました。
- SWE-bench Verified: GitHub の実際の Issue を解決するコード変更を生成させることで、コーディングエージェントとしての能力を評価するベンチマーク(公式サイト / GitHub)。ベンチマーク時には、ハーネスとしてmini-SWE-agentを使用しました。
- BFCL v3: LLM の関数呼び出し能力を評価するベンチマーク(GitHub)。関数呼び出しの正確性(overall accuracy)を計測しました。
- JEMHopQA: 日本語 Wikipedia から構築された、回答の導出ステップが付与された日本語マルチホップ QA データセット(GitHub / 論文)。本評価では、日本語 Wikipedia(2021-08-20 スナップショット)に対して事前構築したローカルインデックスを検索対象とし、モデルに「search」(検索)と「get_document」(文書取得)の 2 ツールを与えて、「クエリ生成 → 関連ドキュメント取得 → 回答生成」を反復する Agentic Search 能力評価の目的で利用しました。「search」は BM25 による sparse 検索と Sarashina3 embedding による dense 検索を Reciprocal Rank Fusion で統合したハイブリッド検索です。ツール呼び出しループは 1 サンプルあたり最大 10 回までとし、最終回答の正答率(exact match)を計測しました。
- FRAMES: 事実性・情報収集・推論を統合的に評価するマルチホップ QA ベンチマーク(論文)。検索ツールとして、Serper APIとwebページの fetchツールを用いました。
- JMT-Safety: 日本の社会的文脈を反映した日本語 LLM 安全性評価データセット AnswerCarefully を、8 種類の攻撃手法を用いて拡張した日本語マルチターン安全性評価ベンチマーク(HuggingFace / 論文)。LLM ジャッジ(gpt-oss-120b)が応答の有害性を判定し、無害な応答の割合(harmless rate)を計測しました。
評価の詳細は SB Intuitions TECH BLOG(Sarashina3 カテゴリーの記事一覧) を参照してください。
標準対話モデル性能比較
| モデル名 | 日本語対話 (ELYZA-100) | 日本文化QA (JamC-QA) | 数学 (AIME 2025) | コーディング (MBPP+) | 指示追従 (IFBench) | ツール呼び出し (BFCL v3) | 安全性 (Answer Carefully) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Sarashina3 mini | 4.18 | 0.82 | 0.60 | 0.80 | 0.57 | 0.67 | 4.81 |
| Sarashina3 nano | 3.86 | 0.61 | 0.38 | 0.71 | 0.57 | 0.60 | 4.62 |
評価の詳細は Sarashina3 mini / Sarashina3 nano: フルスクラッチで開発した最新の国産LLM(SB Intuitions TECH BLOG)を参照してください。
Guard モデル判定精度 (F1 スコア)
| モデル名 | Input F1 | Output F1 | Overall F1 | 推論 Latency (ms) |
|---|---|---|---|---|
| Sarashina3 guard | 71.2 | 65.0 | 68.1 | 3.83 |
| Llama guard 3 (8B) | 43.5 | 57.9 | 50.7 | 5.92 |
評価の詳細は Sarashina3 guard: 日本語特化ガードレールモデル(SB Intuitions TECH BLOG)を参照してください。
Embedding モデル表現力 (JMTEB スコア)
| モデル名 | 平均スコア | 次元数 | 分類 | クラスタリング | STS | 検索 | リランク |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Sarashina3 embedding | 78.22 | 1536 | 79.15 | 51.56 | 83.57 | 79.30 | 88.40 |
評価の詳細は Sarashina3 embedding: 日本語に強い最新のテキスト埋め込みモデル(SB Intuitions TECH BLOG)を参照してください。
Rerank モデルの評価
評価の詳細は Sarashina3 rerank: 日本語検索に指示付きリランキングを導入する(SB Intuitions TECH BLOG)を参照してください。
Translate モデルの評価
評価の詳細は Sarashina3 translate: 翻訳品質を追求した日英・英日翻訳モデル(SB Intuitions TECH BLOG)を参照してください。